新規開拓をやろうと決めて、まず検索で企業を探し、スプレッドシートに会社名とURLを並べていく。100件ほど集めたところで手が止まり、結局一件も連絡しないままファイルだけが残る——受託の方からよく聞く話です。

結論から言うと、営業リストは件数を集めるものではなく、「明日連絡できる状態」を作るものです。必要なのは企業名・連絡手段・提案の接点・優先度・次のアクションの5つだけ。この5つが埋まっていない行は、何件あっても営業に使えません。逆にこの5つがあれば、30件でも手を動かし始められます。

営業リストとは、アプローチする見込み客を、連絡できる形で一覧にしたものです。単なる企業リストとの違いは、「誰に・いつ・何を言うか」が行ごとに入っていることです。

営業リストに最低限必要な5つの項目

項目を増やすほど埋まらなくなります。最初は次の5列だけで始めてください。

項目なぜ必要か
企業名・URL株式会社◯◯ / example.co.jp重複チェックと下調べの起点
連絡手段問い合わせフォームURL / 代表番号 / メールこれがない行は営業できない
提案の接点サイトがスマホ未対応 / 採用ページがない文面の1行目にそのまま使う
優先度高 / 中 / 低上から順に処理するため
次のアクションと日付8/10 フォーム送信 / 8/24 再送放置を防ぐ

業種や従業員数、資本金といった属性は、必要になってから追加すれば十分です。最初に埋めようとすると、情報収集が目的になって連絡が始まりません。

中でも重要なのが「提案の接点」です。受託の営業で返信が来るかどうかは、この1行の具体性で決まります。「Web制作をやっています」ではなく、「御社の採用ページがスマホで崩れています」と書けるかどうかの差です。詳しくはフォーム営業のやり方にまとめています。

リストの集め方——受託に向く4つの源泉

  1. 検索での手集め — 「地域+業種」で検索し、サイトを見て接点をメモする。時間はかかりますが、提案の接点が同時に手に入るので返信率は一番高いやり方です
  2. 既存顧客の周辺 — 取引した会社と同じ業種・同じ規模の企業。実績をそのまま話せるので最も成約しやすい層です
  3. 過去の問い合わせ・失注先 — 一度話した相手は、タイミングが合わなかっただけのことも多いです
  4. イベント・紹介 — 交換した名刺や紹介先。件数は少ないが優先度は高く付けられます

購入したリストや自動収集ツールは件数を稼げますが、提案の接点が付いてこないため、結局一件ずつサイトを見る作業が必要になります。1〜数名のチームなら、最初から絞って手集めしたほうが早いケースが多いです。

なお、問い合わせフォームやメールで営業する場合は、相手のサイトに「営業目的の連絡はお断り」と明記されていないかを必ず確認し、記載がある先はリストから外します。一度断られた先も同様です。

優先度は何で付ければいいか

受託の場合、優先度は次の3つの掛け算で十分です。

  1. 提案の接点が具体的か — 具体的に指摘できる課題があるほど高い
  2. 自社の得意領域と重なるか — 過去に同じ業種の実績があるなら高い
  3. 予算がありそうか — サイトの更新頻度や採用・広告の状況から推測する

ここで大事なのは、優先度を付けたら上から順に処理し、低の行は思い切って後回しにすることです。全件に均等に手をかけようとすると、一番確度の高い相手への提案が薄くなります。

作ったリストを死なせない運用

リストが止まる原因はほぼ一つで、「次に何をするか」が行に書いてないことです。送った後に何も書かなければ、その行は二度と見返されません。

運用のルールは3つだけです。

  1. アクションをしたら、その場で次の予定日を入れる(返信がなければ2週後に再送、など)
  2. 返信があったらリストから外して商談側へ移す(商談管理はエクセルで限界?
  3. 週に1回、日付を過ぎた行だけを見て処理する

この3つを回すと、リストは「集めたもの」から「毎週減っていく作業キュー」に変わります。件数を足すのは、キューが減ってからで遅くありません。

この段階でスプレッドシートがつらくなってきたら、営業リスト管理はスプレッドシートで十分かで乗り換えの目安をまとめています。

ここからは自社製品の紹介です

上の形はスプレッドシートでも作れます。ただし「日付を過ぎた行を拾う」「優先度順に並べる」を手作業で維持するのは、件数が増えるほど重くなります。私たちが作っているPipeliaの営業リストは、そこを自動化しています。

見込み客は優先スコア順に並び、次回連絡日を過ぎた相手には再連絡アラートが付きます。架電・メール・フォーム営業のアクションも同じ行から記録できるので、「どこまでやったか」がリスト上に残ります。

Pipeliaの営業リスト画面。優先スコア順に並んだ見込み客と、再連絡アラート、架電・メール・フォーム営業のアクションが確認できる

すでにスプレッドシートでリストを作っている場合はCSVでそのままインポートできます。エクスポートもできるので、合わなければ戻せます。返信が来た相手は商談に進め、受注すれば案件が自動で作られるので、リストから先の二重入力がありません。

Pipeliaの商談カンバン画面。ステージ別に並んだ商談と、確度・金額が確認できる

差し込みメールの一括送信(Proプラン)に対応しており、開封・返信のトラッキングも同じリスト上で見られます。無料のFreeプランでも営業リスト100件・1ユーザーまで使えるので、まずは手元のリストを入れて試せます。画面だけ先に見たい場合はデモ環境が登録不要で開けます。

よくある質問

営業リストは何件くらいから始めればいいですか

件数よりも「毎週処理しきれる量かどうか」で決めるのが現実的です。制作をしながら営業する場合、週に動かせるのは数件〜十数件程度になることが多いので、まずは30件前後を提案の接点付きで揃え、一周回してから増やす順番をおすすめします。埋まっていない100件より、動かせる30件のほうが結果につながります。

購入したリストを使ってもいいですか

件数を短時間で揃えられる利点はありますが、提案の接点は付いてこないため、結局は1件ずつサイトを見る作業が必要になります。また、取得経路が不明な連絡先に送ることになるため、個人情報の取扱いや相手サイトの規定の確認はより慎重になります。最初の一歩としては、既存顧客の周辺と過去の問い合わせ先から手をつけるほうが確実です。

リストを作っても連絡が続きません

多くの場合、行に「次のアクションと日付」が入っていないことが原因です。送信後に次の予定をその場で入れるルールにするだけで、「今週やること」が自動的に決まるようになります。それでも続かない場合は、週の作業量に対してリストが大きすぎる可能性が高いので、優先度高の行だけに絞って回し直してください。