営業リストのスプレッドシートは、列を増やすほど更新されなくなります。使われ続けているリストを見ると、手で入れる列は15列前後で止まっていて、判断に使う数字(優先度・経過日数・要対応)は数式が出しています。人が毎回考えて埋める列を作らないことが、テンプレートの一番の設計ポイントです。

この記事では、そのままコピーして使える列定義(19列)と、優先スコア・再連絡アラート・重複チェックの数式、そして作っておく絞り込みビュー3つを公開します。Googleスプレッドシートとエクセルの両方で動く関数だけを使っているので、どちらでも同じものが作れます。

営業リストのスプレッドシートテンプレートとは、企業・担当者の情報と接触状況を1行1社で記録し、次に連絡すべき相手を数式で自動的に上位へ並べるための表のことです。

この記事の要点

  • 手で入れるのは15列だけ。優先スコア・経過日数・要対応・重複の4列は数式に任せる
  • 優先スコアは「確度50点+鮮度30点+経路20点」の100点満点。1本の数式で出せる
  • ビューは「今日やる」「未接触の新規」「温まっている」の3つあれば足りる
営業リストのスプレッドシートの構成図。手で入れる15列(企業・担当者、ステータス・接点経路、最終接触日・次アクション)が優先スコアの数式列に流れ込み、スコア順に並べ替えた「今日やるリスト」ができる流れが確認できる

営業リストのスプレッドシートは何列あればいいか

1シート・1行1社で作ります。シートを分けたり、企業と担当者を別表にしたりすると、絞り込みのたびに参照が必要になって続きません。

A列からO列までが手入力、P列からS列が数式です。数式列には色を付けて「触らない列」だと分かるようにしておきます。

列見出し中身更新のタイミング
A企業名正式名称。「株式会社」の前後も揃える登録時
Bドメインpipelia.com の形。https:// と www. と末尾の / は入れない登録時
C業種Web制作/EC/製造/医療 などプルダウン登録時
D規模〜10名/〜50名/〜300名/300名〜登録時
E所在地都道府県だけでよい登録時
F部署広報/情シス/経営企画 など登録時
G担当者名分からなければ空欄のまま登録時
H役職決裁に届くかの判断に使う登録時
Iメールアドレス個人宛がなければ問い合わせフォームのURL登録時
J電話番号ハイフンあり・なしは揃える登録時
Kステータス未接触/接触済/返信あり/商談化/失注/対象外動くたび
L接点経路紹介/問い合わせ/交流会/リスト購入/自分で探した動くたび
M最終接触日日付形式。こちらから連絡した日連絡のたび
N次アクション「提案書を送る」など1行で連絡のたび
O次アクション予定日日付形式。空欄にしない連絡のたび
P経過日数数式自動
Q優先スコア数式自動
R要対応数式自動
S重複数式自動

B列をドメインにしているのは、重複チェックのキーにするためです。企業名は「株式会社サンプル」「サンプル(株)」のように揺れますが、ドメインは揺れません。どの情報を集めるかの考え方は営業リストの作り方にまとめています。

コピーして使える数式——優先スコアと再連絡アラート

2行目に入れて、下へコピーします。Googleスプレッドシートでもエクセルでも同じまま動きます。

P2(経過日数) — 最終接触日から何日たったか。

=IF($M2="","",TODAY()-$M2)

Q2(優先スコア) — 確度・鮮度・経路の3つを足した0〜100点。

=IF($A2="","",IF($K2="商談化",50,IF($K2="返信あり",40,IF($K2="接触済",25,IF($K2="未接触",15,0))))+IF($M2="",10,IF(TODAY()-$M2<=14,30,IF(TODAY()-$M2<=30,20,IF(TODAY()-$M2<=90,10,0))))+IF(OR($L2="紹介",$L2="問い合わせ"),20,IF($L2="交流会",10,0)))

R2(要対応) — 今日やるべき行と、放置している行を出す。

=IF($A2="","",IF(OR($K2="失注",$K2="対象外"),"",IF(AND($O2<>"",$O2<=TODAY()),"今日やる",IF(AND($M2<>"",TODAY()-$M2>=30),"再連絡",""))))

S2(重複) — 同じドメインが2回目以降に出てきたら印を付ける。

=IF($B2="","",IF(COUNTIF($B$2:$B2,$B2)>1,"重複",""))

優先スコアの配点は次のとおりです。自社に合わせて数字を変えるなら、合計が100になるように調整すると感覚がずれません。

要素見るもの配点
確度K列 ステータス商談化50/返信あり40/接触済25/未接触15/失注・対象外0
鮮度M列 最終接触日からの日数14日以内30/30日以内20/90日以内10/それ以上0/未接触10
経路L列 接点経路紹介・問い合わせ20/交流会10/その他0

鮮度に30点も割いているのは、営業リストで最も失われやすいのが「返信をもらったのに間が空いた相手」だからです。この層の扱い方は見込み客の追客のやり方で詳しく書いています。

絞り込みビューは3つだけ作る

Googleスプレッドシートなら「データ」→「フィルタビューを作成」、エクセルなら「テーブルとして書式設定」→スライサーで作ります。通常のフィルタはシートを開いている全員に同じものがかかりますが、フィルタ表示にしておくと、自分が絞り込んでも他の人の画面は変わりません(出典:Google ドキュメント エディタ ヘルプ「データの並べ替えとフィルタ」、2026年10月1日確認)。

ビュー名絞り込み条件並べ替え開く場面
今日やるR列が「今日やる」または「再連絡」Q列 降順毎朝、上から順に連絡する
未接触の新規K列が「未接触」+C列で狙う業種Q列 降順週1回のまとめ架電・フォーム送信
温まっているK列が「返信あり」または「商談化」O列 昇順週次で予定日が近い順に確認する

ビューを4つ以上作ると、どれを開けばいいか毎回考えることになって開かなくなります。3つに絞るのは、迷う時間をなくすためです。架電中心で回す場合の指標の置き方は電話営業のリスト管理とKPIを参考にしてください。

入力規則と条件付き書式で列が壊れないようにする

手入力の列は、放っておくと表記が揺れて数式が効かなくなります。「商談化」と「商談中」が混ざった瞬間に、優先スコアは0点になります。

  1. K列とL列に入力規則(プルダウン)を設定する。Googleスプレッドシートは「データ」→「データの入力規則」、エクセルは「データ」→「データの入力規則」→リスト
  2. M列とO列は日付形式に固定し、「2026/09/18」の形以外を弾く
  3. R列が「今日やる」の行に、条件付き書式で薄いオレンジの背景を付ける(カスタム数式 =$R2="今日やる")
  4. S列が「重複」の行に、赤字を付ける(カスタム数式 =$S2="重複")
  5. P列からS列を選択して薄いグレーで塗り、保護範囲にして編集を警告にする

5番目まで済ませておくと、他の人に共有したときに数式が上書きされる事故が減ります。

週に1回15分で回す更新の手順

テンプレートは作った日が最も整っていて、そこから崩れます。崩れ方を決めておくのが運用です。

  1. S列の「重複」を上から見て、古い行の情報を新しい行に寄せて古い行を削除する
  2. 「今日やる」ビューを開き、連絡した行はM列を今日の日付に、N列とO列を次の予定に書き換える
  3. 「再連絡」が出ている行を処理する。送る内容がないなら、K列を「対象外」にして落とす
  4. 「未接触の新規」を10社追加する。B列のドメインだけ先に入れて、S列に「重複」が出ないことを確認してから残りを埋める
  5. K列が90日以上「未接触」のまま動いていない行を「対象外」に移す

4番の「ドメインを先に入れる」は地味ですが効きます。企業名から埋めると、重複に気付くのが全部入力した後になります。

案件化したあとの管理まで同じ思想で作るなら、案件管理のスプレッドシートテンプレートに受注後の列設計を置いています。

スプレッドシートで足りなくなるのはどこか

この形で回せるのは、おおむね数百件・1〜2人までです。それを超えると、次の3つが効いてきます。

  • 同時編集の衝突。2人が同じ行を触ると、後から保存したほうで上書きされる
  • 履歴が残らない。M列は最終接触日しか持たないので、「3回目の連絡で断られた」が追えない
  • 商談以降と切れる。受注・外注・粗利まで別の表になり、同じ会社名を何度も入力することになる

乗り換えの判断材料は営業リスト管理はスプレッドシートで十分かにまとめました。まずはこのテンプレートで回してみて、上の3つが週に何度も起きるようになってから考えれば十分です。

ここからは自社製品の紹介です。Pipeliaの営業リストは、この記事の優先スコアと再連絡アラートを標準で持っていて、商談・受注・外注・粗利まで同じデータでつながります。登録不要のデモで実際の画面を触れます。

Pipeliaの営業リスト画面。優先スコア順に並んだ見込み客と、再連絡アラートが付いた行が確認できる

よくある質問

営業リストのテンプレートは何列くらいが適切ですか?

手入力は15列前後が上限だと考えてください。それ以上増やすと、新規登録のたびに埋まらない列が出て、リスト全体の信頼度が下がります。優先度や経過日数のように判断に使う情報は、手で入れるのではなく数式で出す列に回すと、列数を増やさずに情報量だけ増やせます。

エクセルでも同じ数式は動きますか?

この記事で使っている IF・AND・OR・COUNTIF・TODAY は、Googleスプレッドシートとエクセルの両方にある関数なので、そのままコピーして動きます。違いが出るのはフィルタの作り方で、Googleスプレッドシートは「フィルタ表示」、エクセルはテーブル+スライサーになります。条件付き書式のカスタム数式はどちらも同じ書き方です。

営業リストは何件くらいまでスプレッドシートで管理できますか?

数式の重さより先に、運用のほうが先に限界を迎えます。目安は数百件・同時に触る人が1〜2人までです。TODAY() を使った数式は開くたびに全行を再計算するため、数千行になると表示が重くなりますが、それ以前に「誰がどこまで連絡したか」が分からなくなって更新が止まります。件数ではなく、更新が止まっているかどうかで判断してください。