営業リストはスプレッドシート、案件管理は別のシート、外注費は請求書のフォルダの中——。受託の現場では、こういう分担がごく自然に出来上がります。1人で回しているうちは、これで困りません。
件数が増えたときに探し始めるのがSFAです。SFAとは、商談の進捗や営業活動を記録して、受注までの流れを管理するツールのことです。ところが有名どころを試すと機能の多さに気後れし、価格表を見て手が止まる。結局スプレッドシートに戻る。Pipeliaの開発は、この行き止まりを受託の側から解消するために始まりました。
先に結論を書きます。受託事業者のSFA選びは、「受注した後まで見えるか」で決まります。営業機能の多さではなく、外注費と粗利まで同じツールで追えるかどうかが分かれ目です。
この記事の要点
- 受託のSFA選びの分かれ目は機能の多さではなく、受注後の外注費と粗利まで同じツールで追えるかどうかです
- Salesforce(Starter 月額3,000円/ユーザー〜)もHubSpot(Starter 月額840円/シート〜)も、外注費・粗利は標準の守備範囲外で、kintone(月額1,800円/ユーザー、最低10ユーザー)は自作が前提です
- 見る軸は3つです。①受注後まで守備範囲か ②価格と最低人数が1〜数名の規模に合うか ③今のシートからCSVで移せるか
SFAは「受注するまで」のツールとして作られている
SFAの主機能は、商談のパイプライン管理・行動記録・売上予測です。営業部門が独立して存在する会社を想定した設計で、ゴールは受注。そこから先は、そもそも守備範囲に入っていません。
受託ビジネスは逆です。受注してからが本番で、制作、外注先への発注、検収、請求、入金確認と続きます。利益が確定するのは、外注費を払い終えて粗利が見えた瞬間です。

SFAとCRMの役割の違いが曖昧なままだと、そもそも何を比べているのか分からなくなります。2つの違いと、受託ならどちらから始めるかはSFAとCRMの違いで整理しています。
主要SFAの料金と守備範囲を並べて比べる
料金だけを見ると「高いから合わない」という結論になりがちですが、並べてみると分かれ目は別のところにあります。
| ツール | 小規模向けプランの料金 | 受注後(外注費・粗利)の管理 |
|---|---|---|
| Salesforce | Starter Suite 月額3,000円/ユーザー〜 | 標準では対象外 |
| HubSpot Sales Hub | Starter 月額840円/シート(年払い)〜。Professionalは月額10,800円/シート+導入支援180,000円 | 標準では対象外 |
| kintone | スタンダード 月額1,800円/ユーザー(税抜)。最低10ユーザーから | アプリを自作すれば可能 |
| Pipelia | Free 0円(1ユーザー)/Pro 月額1,100円/ユーザー(税込) | 標準機能 |
料金は各社の公式料金ページで確認したものです(出典:Salesforce「中堅・中小企業向けSalesforce製品の価格設定」、HubSpot「セールスソフトウェアの価格表」、サイボウズ「料金 | kintone」、2026年10月1日確認)。
安いプランが無いわけではありません。HubSpotのStarterは月1,000円を切ります。それでも受託に入れると、受注後の外注費や粗利は別のツール——多くの場合、元のスプレッドシート——で管理し続けることになります。「高いから合わない」のではなく、受注後がないから二重管理が残る。ここが本当の理由です。
スプレッドシートの限界は「転記」に出る
誤解のないように書くと、スプレッドシートは優秀です。無料で、自由で、1人なら十分回ります。営業リスト・案件表・入金チェック表をシートで組んでいる受託の現場は、珍しくもなんともありません。
破綻は転記から始まります。営業リストで「受注」に変えたら案件表に行を足す。発注したら外注費の列を埋める。入金が来たら入金表を消し込む。同じ情報を3回打ち直すうちに、どこかで1件抜けます。
そして粗利。売上から外注費を引くだけの計算なのに、シートが分かれているせいで月末にまとめて手計算になる。「今月、結局いくら残るのか」に即答できない状態が続きます。
どこまでシートで粘れるかは、営業リスト管理はスプレッドシートで十分かで挙げた5つのサインが判断材料になります。
受託事業者がSFAで見るべき3つのポイント
ここまでを踏まえると、受託事業者のチェックリストは3つに絞れます。
- 受注後まで守備範囲か。外注管理・粗利・資金繰りが同じツールの中にあるか。「案件管理もできます」ではなく、外注費を入れたら粗利が自動で出るか。考え方は粗利管理のはじめ方と外注管理の方法にまとめています
- 価格と最低人数が規模に合うか。1〜数名のチームで月数万円は続きません。最低10ユーザーのような契約条件にも注意します
- 今のシートから移行できるか。CSVインポートがあるか。移行に丸一日かかるツールは、たいてい使われなくなります。実際の手順はスプレッドシートからSFAへの移行手順で5ステップに分けて解説しています
導入したあと入力が続くかどうかも、選ぶ段階で考えておく価値があります。小さなチームで止まりやすい原因はSFAが定着しない理由で取り上げています。
受注から粗利まで転記なしでつながる受託向けSFA
ここからは自社製品の紹介です。Pipelia(パイプリア)は受託事業者向けに作ったSFA/CRMで、営業リスト→商談→受注→外注→粗利・資金繰りまでが一本につながっています。受注すると案件が自動で生まれ、発注を登録すると外注費が粗利に反映されるので、転記による抜けが起きません。営業リストはCSVインポートに対応しており、今のスプレッドシートからそのまま移せます。

よくある質問
1人でも導入する意味はありますか?
あります。転記と月末の手計算が消える効果は、むしろ1人経営のほうが大きいくらいです。Freeプランは1ユーザー・0円なので、まず営業リストだけ移して試すのが現実的です。
大手SFAとどちらを選ぶべきですか?
営業専任のチームがあり、受注後の管理を別部門が担う体制なら、大手SFAの設計が合っています。営業も制作も外注管理も同じ人がやる受託なら、受注後まで一本で見えるツールを選んでください。
外注先にもアカウント費用がかかりますか?
かかりません。外注先はFreeプランのまま、発注の承認・進捗共有・支払消込まで参加できます。何社つないでも、発注側のユーザー課金は増えません。
