「今日は10件かけよう」と決めた朝ほど、見積もりの催促や納品前の確認に追われて、気づけば夕方になっている——。営業専任のいない受託の現場では、代表が制作や開発の合間に自分で電話をかけるのがふつうです。だからこそ、気合いや話術より先に「仕組み」が要ります。

結論から書きます。電話営業の成果は、トークの上手さよりも「リストの鮮度」と「かけ直しの管理」でほぼ決まります。誰にかけるかが整理されていて、「不在だった先に、約束した日時にかけ直す」が漏れなく回っていれば、1人でも電話営業は続けられます。逆にこの2つが崩れると、かけた記録が散らばり、同じ先に二度かけたり、見込みのある先を放置したりが起きます。

電話営業のリスト管理とは、架電先の情報・優先順位・架電結果・次にかける日時を一元的に記録し、常に「次に誰へかけるか」が分かる状態を保つ運用のことです。本記事ではこの前提に立って、架電リストの作り方、KPIの決め方、1人でも続く仕組みづくりを順に説明します。

架電リストの作り方——優先順位・ステータス・かけ直しの3点で設計する

リストはスプレッドシートでも構いません。大事なのはツールより列の設計です。次の3つを最初から入れておきます。

  1. 優先順位づけ。 全件に同じ熱量でかける必要はありません。過去に問い合わせがあった、サイトのリニューアル時期が近そう、採用を増やしている——など「今、自社の提案が刺さりそうな理由」がある先を上位に置きます。その理由を1行メモしておくと、電話の第一声がそのまま作れます。
  2. ステータス設計。 「未架電/不在/通話済/アポ/見送り」程度の5段階で十分です。細かくしすぎると更新が続きません。ポイントは「不在」と「見送り」を分けること。不在はかけ直す対象、見送りは当面かけない対象で、扱いがまったく違います。
  3. かけ直し日時の記録。 電話営業のリスト管理でいちばん漏れやすいのがここです。「担当は火曜の午後ならいます」と言われたら、その場で日時を列に書き込みます。翌朝リストを開いて、かけ直し日時が今日以前の行を抽出すれば、それがそのまま今日の架電リストになります。

この3点が揃うと、リストはただの「名簿」から「開けば今日やることが決まる道具」に変わります。

電話営業のKPIの決め方——ファネルを4段階に分けて1つずつ見る

KPIをたくさん持つ必要はありません。架電が商談になるまでの流れを4段階に分け、段階ごとに指標を1つずつ見ます。

段階指標見直しポイント
架電架電数(1日・1週間あたり)件数が出ていないなら、時間の確保とリスト準備の問題
通話通話率(担当者と話せた割合)低いなら、かける時間帯・受付での名乗り方・番号の精度を見直す
アポアポ率(通話からアポになった割合)低いなら、提案の切り口とリストの優先順位づけを見直す
商談化商談化率(アポが具体的な商談に進んだ割合)低いなら、アポの質(誰と・何の話で会うか)を見直す

目標値を外部の「平均」から借りてくる必要はありません。まず2週間、自分の数字を取ってみて、それを基準に「どの段階で落ちているか」を見るのが実用的です。落ちている段階が分かれば、直すべきものがリストなのか、トークなのか、時間の使い方なのかを切り分けられます。

架電数の目標は、続けられる件数から始めるのが現実的です。たとえば「1日20件」を掲げて3日で止まるより、「1日5件を毎営業日」から始めて、通話率やアポ率が安定してきたら増やす。制作と兼務の体制では、この順序のほうが長続きします。

1人でも続ける仕組み——時間・履歴・再連絡の3つを固定する

  • 時間を決める。 「毎日10時から30分」のように、架電の時間を予定として固定します。「空いた時間にかけよう」は、空かないのでかかりません。30分あれば5〜10件はかけられます。
  • 履歴を残す。 通話のたびに「日時・話した相手・結果・次のアクション」を1行残します。2回目の電話で「先日は〜の件でお電話しました」と切り出せるかどうかは、履歴があるかどうかだけの差です。
  • 再連絡を自動で拾う。 かけ直しの管理を目視に頼ると、行が増えるほど漏れます。かけ直し日時で並べ替える、期日超過の行に色を付けるなど、「開けば今日の分が浮かび上がる」状態を作っておきます。ツールを使うなら、再連絡日が来たら自動で知らせてくれるものだと、この管理作業が丸ごとなくなります。

画面の例をひとつ挙げると、後述する弊社のPipeliaでは、期日が来た再連絡や対応漏れがダッシュボードの「今日の要対応」に自動で集まります。リストを眺めて探すのではなく、開いた瞬間に今日やることが並んでいる状態です。

Pipeliaのダッシュボード。今日の要対応・今月の受注・粗利をひと目で確認できる

ここからは自社製品の紹介です——Pipeliaの架電リスト管理とKPI集計

Pipelia(パイプリア)は、受託事業者向けのSFA/CRMです。ここまで書いた「リストの鮮度」と「かけ直しの管理」を、スプレッドシートの運用ルールではなく画面の仕組みとして持っています。

営業リストには優先スコアと再連絡アラートがあり、「今日あたるべき先」が上に来ます。架電の結果と履歴はリストにそのまま残り、KPIは自動で集計されるので、記録のための転記作業がありません。CSVのインポートに対応しているため、いま使っているスプレッドシートのリストからそのまま移行できます。

Pipeliaの営業リスト画面。優先スコアと再連絡アラートで架電の抜けを防ぐ

料金はFreeプランが0円で、営業リスト100件・1ユーザーから使えます。まず架電の管理だけ試す、という始め方で十分です。デモ環境は登録もメールアドレスも不要で、開くだけで実際の画面を触れます。電話以外も含めてツール選び全体を検討している段階なら、受託のSFAの選び方も参考にしてください。

よくある質問

電話営業のリストは何件くらい用意すればよいですか?

件数よりも鮮度と優先順位が重要です。目安として100件程度あれば十分に回し始められます。大量に集めて古くなったリストより、「なぜこの先にかけるのか」を言える100件のほうが通話後の手応えが違います。かけ切りそうになったら追加する、の繰り返しで足ります。

KPIはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

日々見るのは「今日の架電数」と「今日のかけ直し」だけで十分です。通話率・アポ率・商談化率は週に1回まとめて眺め、目標値の調整は月に1回程度に留めます。数字を見る時間が架電の時間を圧迫しては本末転倒です。

不在だった先には何回までかけ直すべきですか?

決まった正解はありませんが、目安として2〜3回かけてつながらなければステータスを「見送り」にし、時期を変えて再度リストに戻す運用が現実的です。重要なのは回数そのものより、「何回でやめるか」のルールを決めて、かけた記録を残しておくことです。記録があれば、数か月後に再開するときも同じ説明を繰り返さずに済みます。